2025年10月3日金曜日

続 コロナは終わったのか ただの風邪なのか?

 結論(まずは事実から)

 高齢者は「死にます」(もちろん どこかに限界はあるのですが)

 2024年の死亡統計では、新型コロナは第8位(全体の約2.2%)でした。

 主要死因の順位と割合は次のとおりです。

日本人の主な死因(2024年):順位と構成割合

順位 死因 割合

1位 悪性新生物(腫瘍) 23.9%

2位 心疾患 14.1%

3位 老衰 12.9%

4位 脳血管疾患 6.4%

5位 肺炎 5.0%

6位 誤嚥性肺炎 4.0%

7位 不慮の事故 2.8%

8位 新型コロナウイルス感染症 2.2%

※同じ5類感染症であるインフルエンザは、パンデミック以前(2019年)から

 死因の上位10位に入っていません。

新型コロナも主要な死因の一つとして定着しています。

特に高齢者や基礎疾患を持つ方に集中している点が特徴であり、「ただの風邪」とは言えないことが数字からもわかります。

2023年5月、新型コロナは感染症法上の分類が「2類相当」から「5類」へと変更され、季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。

が、

「インフルエンザと同じなら怖くないのでは?」

しかし、実際の死亡者数を比べると、その差は歴然です。

新型コロナとインフルエンザの死亡者数(2023年5月〜2024年4月)
疾患 死亡者数
新型コロナ 32,576人
インフルエンザ 2,244人

新型コロナはインフルエンザの約15倍の死亡者を出しており、同じ「5類」でも影響の大きさは全く異なります。

さらに、2024年1月〜4月のデータでは、新型コロナによる死亡者14,609人のうち 97%(14,236人)が65歳以上でした。
つまり、特に高齢者にとっては今もなお「致命的な感染症」です。

ただ、ドイツでも日本でも よくよくデータ調べると
コロナ死亡者の約60%は要介護高齢者であること、
20%は施設入所者であること 
指摘されています。

だから 「介護の世話にもなってないし(元気なので)死なない!」

そうでしょうか?

確かに集中治療室に入って(およそ1日10万円)、高額な薬使って
助かるかもしれませんが、高齢者が1か月以上入院したら そら
もとと同じような生活、自力で歩ける 出かけられる 風呂トイレ移動できるか?

実際 コロナ入院で介護度が1-2下がるという研究報告もあります。
もとの生活にもどれるのは2-3割

「ピンピンコロリ」願望 訴える方は大勢いらっしゃいますが
(私の試算ではピンコロは 1/40 40人中39人は何らかの医療介護世話になります)
そんなのは「ほぼ無理」

AI に尋ねますと
確率2.5パーセントの出来事とは、宝くじの4等と5等の間くらいに位置する
比較的低い確率であり、
身近な例では、お茶碗に軽くよそうご飯の中から1粒を当てるくらいの確率に
相当します。 

だそうです。

脱線しましたが、
「超」高齢者が入院すると 体力が落ちる すなわち
自分「だけ」で動きまわれる「健康寿命」は確実に短くなります。
とくに 肺炎 と 大腿骨頸部骨折 は 「(生物学的ホントの)寿命」も
短くすることは明らかです。

肺炎予防としてのワクチン接種は社会的 医療費削減という面でも重要ですし
国が一部お金払ってでも「うってください」というワケです。

救急車1回 4万円(これ10年以上前のデータなので今は1.5倍で6万相当でしょう)
コロナ入院 下手すりゃ100万
重症化予防って 高い飲み薬つかわなければいけないのですが
(持病ある超高齢者はコロナ感染すればほぼ推奨になってしまいます)
1日1万円の 5日分 5万円の 1-3割負担としても
ワクチン1回の方が安い。

兎に角 圧倒的な軽症者が大勢いて(若い人は罹っても症状なしで蒔き散らす)
万博駆け込み訪問した方々が大勢いた 9月連休明けは 当院でも
過去最多の感染者を診断治療しました。
そのうち 5万円の薬出したのは幸い1名だけだったのですが。
(万博いくくらい元気のある方は・・・?)

自分の人生は自分で決める
周囲家族の意見に惑わされず、どうぞご自身で確かな情報を得て判断してください。

ネット youtube 根拠の不確かなものだけで大丈夫なのか
もうどうしようもない時代ですが
間違ってても ネットや youtube あるいは お知合いも責任は
とってはくれないでしょう。
引っ張ってくるデータが 「切り抜き」 「曖昧」 あるいは 
「無価値」「低価値」「根拠なし(主観)」 最悪 悪意ある「捏造」「誤情報」
多すぎてどうしようもない・・・。

助けられる人しか助けられないし 
究極 自分を助けるのは自分でしかありません。哲学的なオチで。
 




2025年5月29日木曜日

コロナは終わった。ただの「かぜ」なのか?

 結論

若い人には「ただの「かぜ」」とも言えなくはない。

一度も罹っていない高齢者 一度もワクチンを打っていない高齢者にとっては

初回感染で たいへんなこと(死亡する 後遺症のこす) に なる 脅威。


香港 台湾中心に患者数は増えているようであり

当院でも 検査で陽性診断する症例もまだゼロでなく 

「おそらくコロナ」という症例は増えてきている印象があります。



これから 8月に向けて やはり増えてくるのは違いなさそう。

じゃあ、何がか変わってきたのか?

「感染力が強くなって弱毒化」で 本当に感染は終息と考えていいのか?

「コロナはかぜ」で 片づけていいのか?

エキスパートの講演も聴いて勉強してきました。


キーワードは「二極化」

若い人 免疫力が充分な人は 自力で治せる 排除できる。

(それこそ ただの風邪。寝て治してたらいい)

高齢者 (65歳以上 リスク因子が複数あればあるほど危険)

 自力で治せない ウイルスが増えまくる人は 全身ボロボロにされる。


オミクロン株以降の変異で 「弱毒化」は もう 誰も実感できるところですけど

SARS-COV2ウイルス(新型コロナ) やっぱり いろんな臓器を侵してくる。

いわゆる「かぜ」(「急性上気道炎」って昔から言い換えているわけですが)

のど はな レベルで 侵略が終わるなら「たいしたことない」(かかったときしんどいけど)死ぬようなウイルスではないですが

やっぱり 下気道 肺の奥まで「やられる」 場合により増え続ける コイツ SARSCOV2は

「別格」

とくに 口の粘膜 消化管(胃腸) 生殖器官 など 増えやすいのはわかっているので

無症状感染者が マスクなし 口からの飛沫(ウイルス 相当に多い!) 

あるいは ウイルスついた手でさわったところ 同じくさわって手洗いせず

目をこする 鼻ほじる 口にいれたら 「感染成立」

やっぱり 手指消毒 手洗い 自分を触らない意味合いでのマスクは有効と。





N抗体保有率 で コロナに罹ったのかどうか 判断してたわけですが
世界的には9割 日本は6割超えるものの まだ7割。

まだ、一度もコロナに罹っていない高齢者が日本には多くて
いちばん危ない人たちが 正しい情報を得ていない
(コロナ終わった。もう大丈夫。マスクもワクチンもいらない。(←高齢者には不適切))

これが一番の問題。
あと 2-3年すれば N抗体保有率は世界に追いつくのか?

コロナ感染高リスク対象者への情報伝達が 「対世界」として 日本は弱すぎる?
(万博も米騒動もいいですけど・・・)

若い人たちは罹っても ほとんどが「ただの風邪」で終わるはずが
さっきの生殖器官(男性不妊 精子運動性低下との関連) あるいは
慢性の疲労感 倦怠感 抑うつなど 労働生産性の低下など 社会的問題もある。と。
コロナ後遺症(他で説明できない感染後2か月以上続き3か月過ぎてもみられる症状と定義)
の確立された治療法はないものの 研究は進んではいるようであると。

昨冬はインフルエンザの流行で入院ベッドが不足する事態もおこったものの
いろいろ縮小された中 高齢者コロナ入院患者が激増すると また 医療危機も。

今年からコロナワクチンも国の補助なく実質値上げ。
ワクチンにしても 高額なコロナ治療薬にしても あるいは検査 受診についても
本当に必要な人は誰なのか 自分(あるいは家族)が罹ったらどう対応すべきなのか
災害対応と同じ 平時からの予測 準備が大事で
これは ホント平和ボケしている日本人が最も苦手なところかも。

コロナワクチンで起こる 反応 まさに 実際の感染の再現と同じで
結果として強力な免疫が誘導されているので これが怖い嫌い (あるいは他不正確情報)
とか 言ってていいのかどうか?(他人はいいけどご自身は?)

かぜひいたときに 「だるいしんどい」 これも
治る過程で出てる症状なら 基本的には 放置可能なわけで。(若い人)

もう本当に なんでもかんでも 医療機関 人任せで
ウイルスと暴言を浴びるのは二度とゴメンですけど。




 


2024年8月18日日曜日

大津市医師会への寄稿があったのでそのまま。


大津市医師会誌 Vol.47 No.8 2024

休憩室

人生50超えてハマるクラシック音楽



 大学時代は同世代のバイオリニスト葉加瀬太郎氏の「クライズラー&カンパニー」、その後は「のだめカンタービレ」という漫画アニメドラマ(2006 年上野樹里主演)

世の中も自分自身でも時にクラシック音楽ブームが起きるのですが、コロナ禍で再度「のだめ」ドラマから見直して再度ハマり、昨年生で聴くのだめカンタービレの音楽会(毎年夏西宮で開催)へ参加してから再度火がついた状態になりました。

 最近は老眼につづき、「難聴」が進んだようです。

自身「早口で何言っているのかわからない」と苦情あったのが、職場スタッフ(さらに早口)が「何言っているのかわからない」、TVの音量上げないと「何言っているのかわからない」、子供らが聴いているAdoYOASOBIとか「何言っているのかわからない」。

ポップス音楽への興味なども減退気味でした。

 ホールでのコンサートの緊張感、一体感。これはポップスでも変わらないのでしょう。しかし生オケの「倍音」「共振」身体の芯から揺さぶられる感じ、これが「忘れていた感動」となり目が覚めたようでした。のだめ音楽会一曲目が「ウィリアム・テル序曲スイス軍の行進」(「オレたちひょうきん族」のオープニング)で盛り上がる曲、さらにベト7、ブラ1という自身にとってもサイコーの演目だったこともありました。(その後は、京セラドーム大阪へ移動して絶好調の阪神タイガース捕手梅野のデッドボール骨折とサト・テルのサヨナラ犠牲フライを満喫して日付変わって帰宅することになったのです)

 いい経験をすると知的好奇心も高まるようで、これまで音楽史などほぼ知識皆無であったのですが、

  「ブラームス交響曲第1番がベートーベン交響曲第 10番と言われるのはナンゾや?」音楽会でも解説はありました。その後YouTubeで自分に合った解説番組に出会い(車田和寿氏「音楽に寄せて」)バッハ、ハイドンからモーツアルト、ベートーベン、シューマン、ブラームス、やっとドヴォルザークくらいまでの知識整理ができました。映画「スター・ウォーズ」ダース・ベイダーのテーマなど登場人物に固有の音楽がつくのもオペラからの流れだとは勉強しました。しかしオペラはまだ不勉強なままです。

 今の興味中心はベートーベンです。「ハイリゲンシュタットの遺書」以降の彼の作品は最終楽章には「生きる喜び」を表現している、というのが体感できたのが一番の喜びかもしれません。また、民族とは、宗教とは、歴史(戦争)とは、と難しいテーマもまず音楽を土台、フォーマットにして「体感する」ところから始めれば理解しやすくなるように思えました。ベートーベンの難聴もフランス軍の砲撃でさらに悪化?チャイコフスキーはLGBTQ問題で苦しみ、チェコの「国民楽派」ドヴォルザーク、スメタナの「祖国」とは……?歴史的背景を知って聴くとまた変わるものですね。

 まとまらなくなったので最後は、NHK交響楽団第1コンサートマスターの篠崎マロ史紀氏の言葉を拝借して〆たいと思います。

 『クラシック音楽は、「再生と伝承」で成り立っています。年代関係なく同じ時間を共有できる。そして世界中で、数百年前の作品を、世代の異なる音楽家が演奏し続けている。点が線になっていくのがクラシックの一番の面白さだと思います。』


2024年3月11日月曜日

女性医師

介護育児 女性が主となっていて 制度上は「いろいろ」あるにしても

大企業や人員に余力あるところはまだ対応できるのでしょう。

医師のような高度専門職では「代理」確保も難しく また そのパートナーに

育児介護を求めるとしても限界があり かつ 個人医院で

一時休止 再開 と 「休業」するのは 附随する人材の問題もあって困難です。

西川先生も 前職場は 介護の問題で退職 当院での雇用となった経緯あり

菅先生も同様 介護問題あり 非常勤で雇用 2名でうまく回っていましたが

現状の診療を維持できなくなり もともと人数少ない耳鼻科で

しかも「滋賀」となると 応募すらほとんどない

(大手医師人材紹介業でも 登録は 土曜のみの1名)厳しい状況です。

医学部人事でも 4-5月は異動の季節であり もしかしたら? 応募があるのかも

しれないですが

むしろ 内科系での募集がかけやすい側面もあるので

「本来」目的としていた内視鏡検査や在宅医療が機能するように 環境整備できればと

考えています。

ワクチン接種含め 発熱外来など とても私1名では対応しきれなかったことあり

耳鼻科の先生方には感謝です。

大学 医学部の女性が占める割合が全国で40%に達しているようです。

「緊急」や「手術などの長時間拘束」など どうしても女性では難しい分野が

医療にはあるのですが 果たして 今後 特に外科など機能維持できるのか

(都市部はいいんですよ。 若手医師が子育てに困るような地域は医師確保大変)

「策」のない現状は心配です。


2023年9月13日水曜日

全く更新してませんでしたので(指摘受けました)

 随分久しぶりに更新する気になりました。

とある患者さんから「楽しみにしてたのに1年更新ない!」と。

確かにそうでした。

このゴールデンウィークに4年ぶりにダイビングに挑んで

「生きているなあ」って実感は取り戻したものの その後1週間も

「精神的に健康な状態」は保てないまま・・・です。

お盆休みは クラシックコンサートのあとに野球観戦を2日連続する 

非日常を味わうことはできましたが・・・やっぱり1週間もたず

ココロは不健康に。

アルコールを週末のみ ホント ビール一缶程度と 週1のプール通いは

つづけているのでカラダは健康になっているはずですが。

コロナが5類になって 届や保険請求に関する業務量がグンと減ったので

(本来)「要らない仕事」は 随分減りました。これだけでもかなり違います。

ただ、インフルエンザ、コロナ 本当に診断 治療につなげていかなきゃいけない

ケースってのはほとんどなく、溢れる軽症者の中に不安の強すぎる方が一定数

混ざりこむので、その対応で本当に疲れてしまいます。

「ミドルエイジクライシス」という 男性更年期というか

厄介な状態に陥って まだ抜け出せずにいるものの もがく元気はでてきたような。

https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/thanatology/016/

一定の筋トレ 運動で成長ホルモンが出るので やはり 辛くとも

アルコールなど安易に頼らず 一定の運動がいいのだとは実感しています。

「笑う」ということも 精神衛生上はかなり大事だなあと。

笑っているうちに自分の脳ミソも「楽しい状態」と錯覚して 復調する

(快楽ホルモンがちゃんとでるよう回るようになる)らしく

よしもと新喜劇 とか タモリ倶楽部「空耳アワー」(youtube)には

救われてるとおもいました。

あとは、ひたすら、寝る。

中途半端な覚醒?あるいは睡眠状態であれこれ考えるのが最悪で妄想が肥大して

ろくなことがないですね。

すぱっと寝床離れて ぬるめの風呂にゆっくりかマッサージチェアで再度

寝れる環境をととのえるのがよいようでした。


2022年8月2日火曜日

診療制限

 医師看護師に欠員がでて、もう、業務をこなすことが困難です。

8月6日(土)は、院長1名で すべての診療 検査 ワクチン 検診まわすため

新患はお断り(他院からの紹介状(診療情報提供書)ある場合を除く)

かかりつけ患者さんであっても 「発熱外来」対応できません。

(滋賀県ホームページでの公表も停止依頼してます)

12時から14時までにワクチン30名

14時20分から17時30分まで 予約外来 23名

外来を12時までに終了しないといけないのと

大腸内視鏡検査を 14時から14時20分で できるのか??? 

もう なるようにしかなりません。


2022年7月19日火曜日

いろいろ 「限界」

新型コロナに関しては 毒性は低くなり(死亡率、重症化率とも低下 実際診療してて入院になるケースもあまり経験しなくなりました)

感染力は上昇(家庭内感染がとにかく多い印象) これは「旧型」同様 ほぼ 「かぜ」と

呼べるように変化してきたと言えなくはないかもしれません。

極論、大多数が「寝て治せ」 の 状況にあるにもかかわらず

未だに 高病源性 5類感染での対応で そこに 書類 事務手続きの山

時間、動線、隔離の必要性があるもので一定数超えれば、もう、忽ち業務的には限界で

対応不能になります。

スローガンのみ立派で すぐに思考停止する日本人らしいといえるのかもですが。

市販キット陽性の軽症者を、再び呼び寄せ、医療者が感染のリスク背って再検査して

書類作成 

いつまでこんな バカげた無駄をするんだと腹立たしく思ってましたが

感染追跡不能なくらい拡大した状況でも まだ続けなければならないそうです。

これでは 本当に検査が必要な人(陽性診断から迅速に治療につなげなければいけないのは高齢で肺に持病のある喫煙者)の検査ができません。

また、検診 ワクチン 他 当院での一般診療 検査も時間で区切って制御してますので

発熱外来枠を増やすこともできず

治療の必要のない軽症者で発熱外来を埋めてしまうことはできません。

さらには、看護師の産休、また、家族の発熱などで 人員も足らないので

もう 当分の間は 発熱外来も「かかりつけ重症者最優先」でせざるを得ません。

自身の体力 精神衛生 も 限界 なので いろいろホームページ(混雑状況など)

更新も滞っています。休日は 水槽掃除以外の院内業務はしないことにしました。