大津市医師会への寄稿があったのでそのまま。
大津市医師会誌 Vol.47 No.8 2024
休憩室
人生50年 超えてハマるクラシック音楽
大学時代は同世代のバイオリニスト 葉加瀬太郎氏の「クライズラー&カンパニー」、その後は「のだめカンタービレ」という漫画アニメドラマ(2006 年上野樹里主演)
世の中も自分自身でも時にクラシック音楽ブームが起きるのですが、コロナ禍で再度「のだめ」ドラマから見直して再度ハマり、昨年生で聴く“のだめカンタービレ”の音楽会(毎年夏西宮で開催)へ参加してから再度火がついた状態になりました。
最近は老眼につづき、「難聴」が進んだようです。
自身「早口で何言っているのかわからない」と苦情あったのが、職場スタッフ(さらに早口)が「何言っているのかわからない」、TVの音量上げないと「何言っているのかわからない」、子供らが聴いているAdo、YOASOBIとか「何言っているのかわからない」。
ポップス音楽への興味なども減退気味でした。
ホールでのコンサートの緊張感、一体感。これはポップスでも変わらないのでしょう。しかし生オケの「倍音」「共振」身体の芯から揺さぶられる感じ、これが「忘れていた感動」となり目が覚めたようでした。のだめ音楽会一曲目が「ウィリアム・テル序曲 スイス軍の行進」(「オレたちひょうきん族」のオープニング)で盛り上がる曲、さらにベト7、ブラ1という自身にとってもサイコーの演目だったこともありました。(その後は、京セラドーム大阪へ移動して絶好調の阪神タイガース 捕手 梅野のデッドボール骨折とサト・テルのサヨナラ犠牲フライを満喫して日付変わって帰宅することになったのです)
いい経験をすると知的好奇心も高まるようで、これまで音楽史などほぼ知識皆無であったのですが、
「ブラームス交響曲第1番がベートーベン交響曲第 10番と言われるのはナンゾや?」音楽会でも解説はありました。その後YouTubeで自分に合った解説番組に出会い(車田和寿氏「音楽に寄せて」)バッハ、ハイドンからモーツアルト、ベートーベン、シューマン、ブラームス、やっとドヴォルザークくらいまでの知識整理ができました。映画「スター・ウォーズ」ダース・ベイダーのテーマなど登場人物に固有の音楽がつくのもオペラからの流れだとは勉強しました。しかしオペラはまだ不勉強なままです。
今の興味中心はベートーベンです。「ハイリゲンシュタットの遺書」以降の彼の作品は最終楽章には「生きる喜び」を表現している、というのが体感できたのが一番の喜びかもしれません。また、民族とは、宗教とは、歴史(戦争)とは、と難しいテーマもまず音楽を土台、フォーマットにして「体感する」ところから始めれば理解しやすくなるように思えました。ベートーベンの難聴もフランス軍の砲撃でさらに悪化?チャイコフスキーはLGBTQ問題で苦しみ、チェコの「国民楽派」ドヴォルザーク、スメタナの「祖国」とは……?歴史的背景を知って聴くとまた変わるものですね。
まとまらなくなったので最後は、NHK交響楽団第1コンサートマスターの篠崎“マロ”史紀氏の言葉を拝借して〆たいと思います。
『クラシック音楽は、「再生と伝承」で成り立っています。年代関係なく同じ時間を共有できる。そして世界中で、数百年前の作品を、世代の異なる音楽家が演奏し続けている。点が線になっていくのがクラシックの一番の面白さだと思います。』